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3年生の今月の本


おばけ道、ただいま工事中!? タイトル おばけ道、ただいま工事中!?
著者 草野 あきこ(作) 平澤 朋子(絵)
出版社 岩崎書店
 

ま夜中、ぼくをよんでいる声で目をさますと、女の子がまくらもとに立っていた。ゆめかな・・・?この子、だれだっけ?ええと、ここはぼくの家の、ぼくのへやのベッドで・・・。・・・ん?
「うわぁっ、どろぼう!」ぼくは、あわててとびあがると、かべにあたまを思いきりぶつけた。「しつれいね、どろぼうじゃないわよ。わたしは、お・ば・け」まっくらなへやの中で、その子は月みたいにぼおっと光っている。「ひっ、ひぃ、おばっ・・・け・・・」たすけをよびたいのに、うまく声が出ない。
「こんばんは、翔太(しょうた)さん。わたしのなまえはサト。はい、これ」そう言って、サトという女の子のおばけは、1まいの紙をさしだした。そのとたん、へやのでんきがひとりでにぱっとついた。紙には、『おばけ道工事中につき、ごめいわくおかけします』と書かれている。「この町の空の上には、死んだ人がおばけ界に行くための『おばけ道』というものがあるんだけど、少し古くなったから工事をすることになったのよ。だから、工事のきかんちゅう、この部屋にかりのおばけ道をとおさせてもらうことに決まったの」と、当たり前のようにサトが言う。
明日の夜から1しゅうかん、たくさんのおばけ達が、ぼくの部屋にできる「おばけ道」をとおるらしい。「そんなのこまるよ!」って言ったけど、いったん決まったことは変えられないという。いきなりそんなこと言われても・・・。

●突然やって来たおばけは、自分と同じ小学生の「サト」という女の子でした。最初は怖がっていた翔太でしたが、毎晩おばけ道の様子を見にやってくるサトと話すうち、少しずつ仲良くなっていきます。おばけは怖いですが、もし亡くなってしまった大切な人と再び交流できるのだとしたら、こんな経験もアリなのかもしれませんね。

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