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タイトル |
ねこの郵便屋さん |
著者 |
中村 翔子(作) たごもり のりこ(絵) |
出版社 |
佼成出版社 |
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一人息子のアラタさん夫婦(ふうふ)がアメリカのニューヨークに転勤(てんきん)になり、二人ぐらしのおじいさんとおばあさんは毎日さびしくすごしていました。
そんな冬の終わりのある日のこと、まどの外から小さなかわいらしい鳴き声が聞こえました。「にゃーん」小さなみけねこがまよいこんできたのです。ねこはおじいさんがにぼしをさし出すと、うれしそうに鳴いて、そっとにぼしを口にくわえどこかへ行ってしまいました。おばあさんは、ふと思いついてこのことをアラタさん夫婦に手紙を書くことにしました。たった数行の短い文面でしたが、ポストへ投函(とうかん)した瞬間(しゅんかん)、おばあさんはなんだかとてもうれしくなりました。アラタさん夫婦からの手紙の返事は絵はがきか電話でしたが、おばあさんは手書きの手紙にこだわりたいと思いました。電話で生の声を聞くのもうれしいけれど、手紙だと何度も読み返せるからです。
そして、またしばらくたった春のある日、「にゃお」まどの外からまたかわいらしい声が聞こえてきました。いつかのあのねこです。ねこはまたひんぱんに二人の家をたずねてくるようになりました。おじいさんもおばあさんもねこがかわいくてしかたがありません。息子夫婦への手紙にも、短い文章にねこの写真がそえられるようになりました。息子がいなくなったさびしさを、今やそのねこがすっかりまぎらわせてくれているのでした。
●みけねこのおかげで、おじいさんとおばあさんは楽しく穏やかな毎日をすごせるようになりました。ミルクという名前までつけてかわいがりますが、ミルクが二人のもとにやってくるのはいつも気まぐれ。もしかすると、どこかの飼いねこなのかもしれない……。そこで、おばあさんはミルクに“あるもの”をもたせようと思いつくのでした。
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