トップページ > 読書案内 >  3年生の今月の本 > 3年生におすすめの本
 > 犬をかうまえに

3年生の今月の本


犬をかうまえに タイトル 犬をかうまえに
著者 赤羽 じゅんこ(作) つがね ちかこ(絵)
出版社 文研出版
 

ぼくんちのそばに、新しいホームセンターができた。食品売り場から、日曜大工の道具や家電のコーナー、レストランまであって、まいごになりそうなほど広い。お母さんは、べんりになったと大よろこび。お母さんだけじゃなく、ぼくだってうれしい。なぜなら、2かいのおくに、ペットショップがあるからだ。ぼくは、習い事の帰り道に、いつもこのペットショップによる。じつは、今気にいってる犬がいるんだ。目がくりっとしていてかしこそうな、茶色のミニチュアダックスフント。
その日も、ぼくは犬に会いに行った。強い雨の日で人が少なく、ペットショップにいるのはぼくだけだった。ぼくが犬のいるケージに顔を近づけると、犬もそばにやってきた。ガラスに体をぶつけながら、クンクンとあまえたようにないている。その時、店員のおねえさんがやってきて、「あらあら、にぎやかね。きみ、いつもきてるわね」と、ぼくにわらいかけてきてくれた。ぼくが、「来月がたんじょう日だから、この犬をかえるように、お父さんとお母さんにたのむつもりなんです」と言うと、おねえさんが、その犬をケージから出して、だかせてくれることになった。「やった!」ぼくは、思わずとびあがった。きんちょうしながら、おそるおそるだかせてもらうと、小さな体はやわらかくて、ぼくのうでの中でぶるぶるふるえていた。
このまま連れて帰ってしまいたいほど、すごくかわいい。・・・でも、犬をかってもらえるというのは、うそだった。本当は、うちではペットをかうことができないんだ。

●主人公の空斗は、弟が小児ぜんそくの発作を起こしてしまうため、家では動物を飼うことができません。どうしてもペットが欲しいと主張する空斗に、お母さんは「犬のお散歩ボランティア」をすすめます。そこで空斗は、「生き物は『かわいい』だけではない」ことを初めて知ることになります。既に家でペットを飼っている子も、これから飼おうと考えている子も、ぜひ読んでみてください。

Page Top