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3年生の今月の本


シールの星 タイトル シールの星
著者 岡田 淳(作) ユン・ジョンジュ(絵)
出版社 偕成社
 

 3年生になったマアコが、きゅうに野球ぼうをかぶりだしたのは、「シール」のせいだ。
 3年生で新しくたんにんになった先生は、「テストで百点をとった子には、シールをあげることにする」と言った。それは、銀色に光る星のかたちのシールで、とてもすてきだった。みんなは、シールがほしくて、いっしょうけんめい百点をとろうとした。はじめのうち、シールをもらった子は、下じきやふでばこにはりつけていた。でもある日、一人の男の子が野球ぼうにつけだすと、たちまちそれが女子の間にまではやりだした。今では男子も女子もみんな、星をたくさんつけた野球ぼうをかぶって学校に来ている。そういうわけで、マアコも野球ぼうをかぶっているのだ。
 クラスでいちばん多くシールをもらっているのは、ノリオの39まい。2位は、マアコと同じはんのヨシコの38まいだ。ほとんどのテストで百点をとる二人に、1まいのさがついたのは、きょうのことだ。といっても、ヨシコがまん点をとれなかったわけではない。いつものように、ちゃんと百点をとったのに、なぜかシールをもらえなかった。
 それは、先生が新しいルールをはっぴょうしたからだ。とつぜんできたその新しいルールは、「同じはんに0点の子がいれば、いくら百点をとってもシールはもらえない」というものだった。

●「テストで満点をとれば素敵なシールがもらえる」それは、子どもにとって非常に魅力的な話です。しかし、シールやご褒美はあくまでもきっかけであって、本来は勉強の目的になるものではないはず。それなのに、ご褒美をもらえるかどうかが点数によって決められるようになると、その結果どうなってしまうのか・・・。子どもだけでなく、大人にとっても考えさせられるお話です。

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