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3年生の今月の本


わすれものの森 タイトル わすれものの森
著者 岡田 淳・浦川 良治(作・絵)
出版社 BL出版
 

 今日の音楽の時間、ツトムはたてぶえをもっていなかったので、先生からひどくしかられた。明日の音楽会で、クラスで一番ふえの上手なツトムは、大事なパートを一人で演奏(えんそう)することになっている。それなのに、大切なたてぶえがどこにも見あたらないのだ。
 学校が終わると、ツトムはいそいで家に帰った。自分のへやにとびこむと、つくえのひきだしをひっぱりだして、全部しらべた。本だなの中も、ならべた本の上も後ろも、タンスの中のシャツやズボンも、ひっくりかえしてしらべた。となりのへや、ベランダ、ふろ場、げんかん・・・、ひっしでさがしたが、たてぶえはどこにもない。
どうしていいかわからず、ふとまどの外を見ると、おかの上にある小学校の白いたてものが、キラッと光って見えた。(ひょっとすると・・・、学校のつくえの中のさがしようが足りなかったのかもしれない。まだ、つくえのおくのおくの方にのこっているかもしれない。なにしろ、つくえの中は、いろんなものがめちゃくちゃにつっこんであるからな)
「よし!もう一度、学校へさがしに行こう!」もうだれもいない夕方の学校をめざして、ツトムはへやをとびだした。

●忘れ物をすることは誰にでもあります。一生懸命あちこち探しても見つからなかったものが、しばらくして「こんなところにあった!」ということも少なくないはず。でも、行方不明になっていた間、この忘れ物たちは一体どこにいっていたのだろう・・・と考えたことはありませんか?そんな忘れ物たちに関する、幻想的でちょっと不思議なお話です(「ねべりよん」という著者名で1975年に発表された作品の復刻版です)。

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