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3年生の今月の本


ゆうれいレンタル株式会社 タイトル ゆうれいレンタル株式会社
著者 山田 陽美(作) こぐれ けんじろう(絵)
出版社 岩崎書店
 

「げっ・・・」ぼくは、ランドセルの中を見て、そのままかたまった。そう、今日はきゅう食がない日だ。先週、そんなことが書いてあるプリントをもらって、それをちゃんと母ちゃんにわたしたのはまちがいない。で、母ちゃんは、それをころっとわすれたってわけだ。
「・・・たのむよ、母ちゃん」思わず口からもれたグチを、となりのせきのミヨコが聞きつけた。ミヨコはクラスでいちばんおせっかいで、いちばんおしゃべりだ。「あーっ、お弁当わすれたんでしょ?せんせーい!トクダくんが、お弁当わすれたみたいでーす!」たのみもしないのに、教室中にひびく大声で先生にほうこくしてくれた。・・・サイアクだ。
 ためいきをついているぼくのところに、せんせいがとんできた。「こまったわね。おうちにでんわしてみようか?」先生が、ぼくの顔をのぞきこんだ。
「たぶん、家にはだれもいません」そう、きっと母ちゃんは今ごろ、弟のイサムをつれて病院に行っているはずだ。体の弱いイサムは、ちょっとしたことがきっかけで、すぐに体調が悪くなる。けさも急に38度以上の高い熱をだした。そのしゅんかん、母ちゃんの冷ぞうこを開ける目的が、<ぼくの弁当を作るため>から<氷まくらを取り出すため>に切りかわったってわけだ。

●病弱な弟のイサムのために、いつも我慢をすることの多い兄のユウマ。普段は我慢していますが、お弁当を忘れられた上、病院の付き添いから帰ってきたお母さんから叱られたことをきっかけに、たまっていた不満が爆発してしまいます。そんなとき、ユウマは、イサムそっくりの幽霊と出会います。ユウマは、ジュンと名乗るこの幽霊を利用して、日頃の不満を解消しつつお小遣いも稼いでやろうと画策しますが・・・。

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