トップページ > 読書案内 >  3年生の今月の本 > 3年生におすすめの本
 > 消えた時間割

3年生の今月の本


消えた時間割 タイトル 消えた時間割
著者 西村 友里(作) 大庭 賢哉(絵)
出版社 学研プラス
 

 ある日の朝、真子(まこ)が教室に入ると、明日香(あすか)がつくえの上に「まち調べ新聞」をひろげて書いていた。総合の時間の勉強として、自分たちのまちのことを調べて、グループごとに新聞にまとめることになっているのだ。明日香たちのグループは、古くからある妙法寺(みょうほうじ)へ行って、おしょうさんから寺のれきしやむかしのようすなど、たっぷり話を聞かせてもらってきたらしい。
「その新聞、今日がしめ切りだよね」真子は、くるっとふりかえると、黒板の横にはられた「時間割予定」に目をやった。担任(たんにん)の池田先生は、毎週金曜日に、次の週のくわしい時間割が書かれた「時間割予定」というプリントをくばる。真子が今見たのは、今日の「まち調べ新聞、しめ切り」と書かれたところだ。「締め切り」の文字の下には、黒いしみが点々とついていて、やけに目立っている。
 この黒いしみがついたのは、先週の金曜日のことだった。ロッカーの上に準備してあった全員分のプリントの上に、そばに置いてあった墨汁(ぼくじゅう)のびんがたおれて、黒いしぶきがあちこちにとびちったのだ。みんないそいで拾いあつめたのだが、クラスの何人もが、黒いしみのついた予定表をもらうことになった。先生は「もし読めないところがあったら、友だちにきいておけよ」と言っていたが、みんなあまり気にせず、プリントを自分のファイルにとじた。
でも、このしみが、後でおこる不思議な事件のもとになるとは、このときだれも気付いていなかった。

●「時間割予定表」についた墨汁の黒いしみ。自分たちの予定表にもついていたこのしみについて、真子と明日香はある不思議な共通点を発見します。それが思わぬ形で、まち調べ新聞で調べた内容とつながって、クラスの大きな事件へと発展していくことになるのですが・・・。
 時間割表についたしみに関する出来事を中心に、子ども達それぞれの心の動きや葛藤などが描かれています。読んだ後には、子ども達の成長を感じてほんのりあたたかい気持ちになれる、そんなお話です。

Page Top