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3年生の今月の本


小学校がなくなる! タイトル 小学校がなくなる!
著者 麻生 かづこ(作) 大庭 賢哉(絵)
出版社 文研出版
 

 わたしが通っている都(みやこ)小学校は、あまり大きな学校じゃないから、どの学年も1クラスしかない。だから、毎年クラス替えはなくて、いつもそのままもち上がりだ。担任の先生はときどき変わるけど、それもふつうは2年ごとにしか変わらない。
「先生は変わらないし、転校生もいないし、今年も全く同じだね」
「ほんとー。ちょっとは変化がほしいよね」
友達と笑いながらそんな会話をして、わたしは教室に入った。今年の春も、先生もクラスの子ども達も何一つ変わらないまま、また新しい学年がスタートした・・・はずだった。それなのに、その後の始業式で聞いた校長先生のお話は、耳をうたがうようなとんでもないものだった。
 「みなさん、おはようございます。今日から学年がひとつずつ上がり、おにいさんおねえさんになりましたね。じつは、都小学校とおとなりの若葉(わかば)小学校は、このたび統廃合(とうはいごう)されることになりました。来年の春からみなさんは、若葉小学校に通うことになります。ざんねんながら、都小学校は今年でなくなります。みなさんもさびしいと思いますが、この一年、楽しい思い出をたくさん作りましょう」
 えっ?!・・・うそでしょ?都小学校は、お父さんもおばあちゃんも通っていた、古い小学校だ。れきしもみんなの思い出もたくさんある。そんな大切な学校なのに・・・、本当になくなってしまうの?
わたしは、むねがギューンとしめつけられて、どうしていいかわからなくなってしまった。

●近年、少子化の影響もあり、全国各地の小学校が相次いで統廃合されています。人口の少ない地方都市に限らず、都会でも学校数を減らして教員や資源などを集約する方針の自治体が増えているようです。しかし、大人にはそんな理由があったとしても、実際通っている子ども達にとっては簡単に納得できることではありません。
さて、自分たちの小学校が廃校になると聞いた都小学校の子ども達は、愛する学校を守るためにどんな行動を起こすのでしょうか?

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