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3年生の今月の本


ふたごのしいの実 タイトル ふたごのしいの実
著者 奥山 ゆかり
出版社 ぽるぷ社
 

 あたしの家の庭には、大きなしいの木がある。しごとから帰ったお母さん。しいの木の下の小さないすにこしかけて、あったかいお茶をのむ。つめたい風がひとふきふくと、おばあちゃんは木の下で、里いもの皮をけずる。

 けずる音をききながら、あたしはしいの実をひろう。大きなしいの実、やせたしいの実、ふとったしいの実。ひとつひとつのしいの実に、じっくりゆっくり顔をかく。

 お父さんがおしえてくれた、しいの実人形。いっしょにつくった、しいの実人形。

 でもね、お父さんは、島にはいない。あたしが三年生になるとすぐ、遠くの病院へ入院した。お父さんが帰ってきたら、しいの木の枝に板をのせ、いっしょに見晴し台をつくるんだ。

 見晴し台の上ではね、お父さんに話してあげる。忍者のしゅぎょうをした話。タイヤにひかれた、てんとう虫の話。海の底のタコの話。おとしあなをつくった話。ごしごしあらった、うんどうぐつの話。

 きっと、おどろくだろうな。お父さん。

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