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3年生の今月の本


ハニーのためにできること タイトル ハニーのためにできること
著者 楠 章子(作) 松成 真理子(絵) 
出版社 童心社
 

 ふたばが友達の家で遊んでいるとき、ママから電話がかかってきました。
「すぐに帰ってきなさい」
ママの声がいつもよりひくくて、ふたばは、すなおにしたがいました。ひくい声のときのママに、わがままを言ったり、だだをこねたりしてもムダです。何を言ったって、ぜんぶはね返されてしまいますから。言われたとおり、いそいで家に帰ると、ママは出かける用意をしていました。
「あーちゃんのところに行くわよ」
ママが、こわいかおで言いました。きゅうに言われて、ふたばはおどろきました。あーちゃんというのは、ふたばのおばあちゃんで、ママのお母さんです。あーちゃんは、いなかの町で、ひとりでくらしています。ここから5時間ぐらいかかりますから、とつぜん気軽に行くところではありません。
「・・・なくなったのよ」
ママは、さらにひくい声で言いました。ふたばはびっくりして、そして気がつきました。ママはこわいかおをしているのではなくて、とてもかなしいかおをしているのだと。

●遠く離れた町で一人暮らしをしている、あーちゃん。離れて暮らしているため夏休みや冬休みに顔をあわせるぐらいでしたが、あーちゃんはふたばにとても優しくしてくれました。そのあーちゃんの家で飼われていたのが、ハニーです。ハニーは、道端に捨てられているところをあーちゃんに拾われてきた、おばあちゃん犬です。あーちゃんはハニーをとてもかわいがり、ハニーもあーちゃんによく懐いていました。
大人たちは、空き家になった家や家財道具も、そしてハニーも処分するつもりのようです。一人ぼっちになってしまったハニーを守るため、ふたばは勇気を振り絞って立ち上がりました。

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