トップページ > 読書案内 >  3年生の今月の本 > 3年生におすすめの本
 > どこどこ山はどこにある

3年生の今月の本


どこどこ山はどこにある タイトル どこどこ山はどこにある
著者 おおやなぎ ちか(作) 松田 奈那子(絵) 
出版社 フレーベル館
 

 まどかとひいちゃんは、ヒマワリのたねをうえるため、庭におりていました。まどかの手に3つぶ、ひいちゃんのしわしわの手にも3つぶ。ふたりは手のひらのたねを見て、ふふっとわらいあいました。(ひいちゃん、きょうはすこし元気みたい)まどかは、ほっとしました。
 ひいちゃんは、まどかのひいおばあちゃん。もう90さいをすぎています。まどかとひいちゃんは、家族の中でいちばん年がはなれているけど、大のなかよし。小さいころから、ひいちゃんに歌やおり紙を教えてもらいながら、まどかは大きくなりました。ならんで道のアリを見たり、雲を見上げたり、いっしょに近所のコンビニに行くこともありました。
3か月ほど前、ひいちゃんはかぜをひいて熱をだしました。かぜはその後なおったのですが、食よくが出ず、元気を取りもどせずにいました。でもきょうは、まどかがさそったら、こうして庭におりてきたのです。二人はいっしょに小さなあなをほって、そっとヒマワリのたねに土をかぶせて、じょうろで水をかけてあげました。たねをうえ終えると、ひいちゃんは、ゆっくりと家にもどりました。ほんのちょっとの庭仕事だったけど、ひいちゃんはつかれてしまったようでした。

●まどかが産まれたときからずっと一緒にいて、いろんなことを教えてくれる大好きな「ひいちゃん」。ある日、まどかが窓の外を眺めていると、もうゆっくりしか歩けないはずのひいちゃんが、一人で家を出て行こうとしていることに気がつきました。慌てて後を追ったまどかには目もくれず、ひいちゃんはどんどん進んでいきます。やっと追いついたまどかに、ひいちゃんは「これから“どこどこ山”に行くんだよ」と言いました。
大切な家族やかけがえのない人との別れを描いた、じんと心に響くお話です。

Page Top