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タイトル |
ホテルやまのなか小学校 |
著者 |
小松原 宏子(作) 亀岡 亜希子(絵) |
出版社 |
PHP研究所 |
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今日は、“やまのなか小学校”の卒業式。ひんやりとした朝の空気のなか、朝礼台の上の山中校長先生の声がひびきわたります。
「ただいまより、第百回やまのなか小学校卒業(そつぎょう)証書(しょうしょ)授与式(じゅよしき)をはじめます」
やまのなか小学校の卒業生は三人です。一人目は、宇佐美(うさみ)はる子。長いかみをふたつにむすんだ、色白の女の子です。「宇佐美」の「うさ」と、「はる子」の「子」をくっつけて、「うさ子」とよばれています。二人目は、今(こん)幸(こう)太(た)。金色がかったかみをした、元気のいい男の子です。名字の「こん」と名前の「太」で、「コンタ」とよばれています。三人目は、田沼ミナ。三人の中でもとくべつせが低くてコロコロした体型の、のんびり屋の女の子です。いつも下の名前で「ミナ」とよばれています。
「六年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。この『やまのなか小学校』は、みなさんが卒業した後は、子どもがひとりもいなくなるので廃校(はいこう)になります。でも、いつでもここに帰ってきてください。先生はいつまでもみなさんの先生ですし、『やまのなか小学校』は、いつまでもみなさんの学校なのですから」校長先生がそんなあいさつをしたとき、とつぜんミナがさけびました。
「えっ、あたしの?!」
(この学校が、今日からわたしのものだなんて・・・)ミナは、うっとりした顔で考えました。
●ちょっと不思議な「やまのなか小学校」。卒業生のうさ子、コンタ、ミナの三人は、山のこだまや動物たちに見送られ、山を離れて町へと旅立っていきました。
ところが3か月後、ミナは大きなリュックを背負って山に帰ってきました。卒業式のときに校長先生が言った「皆さんのもの」を「ミナさんのもの」と勘違いしたミナは、ギスギスした町での生活をやめて、廃校になった母校に戻ってきたのです。そして、大好きな小学校の建物をつかって、「ホテルやまのなか小学校」を開くことにしました。
さて、この一風変わったホテルには、どんなお客さん達が訪れるのでしょうか。
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