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3年生の今月の本


新聞(しんぶん)記者(きしゃ)は、せいぎの味方? タイトル 新聞(しんぶん)記者(きしゃ)は、せいぎの味方?
著者 みうら かれん(作) 宮尾 和孝(絵)
出版社 講談社
 

「ぼくのゆめは、新聞(しんぶん)記者(きしゃ)です。記者になって、将来、真実をつたえるための仕事をしたいと思います」黒板の前に立った徳永(とくなが)くんが、そういって頭をさげると、みんなが大きなはくしゅをした。てれたような顔で、くいっとメガネをおしあげる徳永くんは、この三年二組でいちばん頭がいい。先生もクラスのみんなも、「さすが徳永だ」ってほめまくっている。
 でも、ぼくだけはちがう。ぼくは、発表を聞きながらずっと「わかってないな」と思っていた。だって、ぼくはいやってくらい知ってる。徳永君の夢である「新聞記者」が、そんなにいい仕事じゃないってことを。
ぼくのパパは、新聞記者だ。パパが新聞記者だっていうのは、小さいころからずっとぼくのじまんだった。でも、何か月か前、家でテレビをつけたらニュース番組をやっていた。画面の中で泣いているどこかのおじさんに、たくさんの人がマイクやカメラをむけている。それを見て、ぼくが「マイクとかカメラの人たち、マスコミって言うんでしょ。ひどいね」と言うと、ママが「うちのパパもマスコミの人だけどね」と言った。そのとき、ぼくはやっと気づいた。物知りで、力持ちで、強くてやさしい、ぼくの大好きなパパが、あの「ひどい」人たちと同じ仕事をしている・・・だれかを傷つける、悪者の仕事をしている。それを知ってから、ぼくは、パパの仕事をじまんだとは思えなくなってしまった。

●「将来、新聞記者になりたい」というクラスメイトの徳永くんを、密かに批判的に見ていた誠。でも、その気持ちを知らない徳永くんは、父親が新聞記者だという理由で、誠に「一緒に学級新聞を作ろう!」と持ち掛けます。最初は嫌がっていた誠でしたが、その熱意に押されて徳永くんと関わるうちに、少しずつ新聞記者の本当の姿や、その仕事を続けるパパの気持ちを考えるようになります。
 様々な職業を紹介する「おしごとのおはなし」シリーズの一冊として、巻末には“新聞記者”についての説明も載っています。

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