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3年生の今月の本


笑われたくない! タイトル 笑われたくない!
著者 手嶋 ひろ美(作) 大庭 賢哉(絵)
出版社 文研出版
 

 十二月になると、教室のカレンダーの写真がクリスマスツリーに変わった。大きなモミの木にぶらさげた、金銀の丸いオーナメントがかがやいている。「お楽しみ会まで、あと少しか」赤丸でかこまれた日付を見て、結花(ゆか)はドキドキしながらつぶやいた。
 結花たちの学校では、毎年二学期のおわりにクラスでお楽しみ会をする。ケーキを食べて、ジュースを飲んで、班ごとに出し物をするのだ。そして、今日のホームルームでは、どの班がどんな出し物をするか、話し合うことになっている。
 結花は、手足が不自由だ。生まれつきの「脳性まひ」という病気で、手足を思うように動かせない。一人では歩けないし、車いすに乗っていても自分ではこげないから、一人で動くときは四つんばいでハイハイして動く。何をするにも、人の五倍は時間がかかる。
 だから、お楽しみ会の前は、いつもドキドキする。自分ができないような出し物をやることになったらどうしよう・・・。ちゃんとみんなといっしょにできるかな・・・。そう思うだけで、落ち着かなくなる。
「わたしもできる出し物になりますように」結花はひそかにいのった。

●話し合いの結果、今年の結花達の出し物は、男子が提案した「二人羽織」になりました。結花は、相棒である小雪の手が素早く動くのを見て、「自分の手が自由に動くようになったみたい」と感動します。うれしくなった結花は、二人羽織で完璧に何でもできるようにと、小雪と一緒に練習に励みます。
でも、本来の二人羽織は、“うまくできない”ことで笑いをとるもの。同じ班の男子チームも、自分達が上手にできない様子を見せてみんなを笑わせようと思っているようです。さて、結花の気持ちは、みんなに理解してもらえるでしょうか?そして、お楽しみ会の出し物は無事に成功するのでしょうか?

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