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3年生の今月の本


くちぶえ番長 タイトル くちぶえ番長
著者 重松 清(作) 塚本 やすし(挿絵)
出版社 新潮社
 

 いつもそばにいた人と、はなればなれになってずっと会えないまま・・・というのは、本当にさびしくて悲しい。ぼくには、そんな相手がいる。それは、小学4年生のときに同じクラスだったマコトという女の子だ。そのころのぼくは、「大人になったら、マコトとケッコンしたいな」なんて思ってたんだ。でも、4年生の春に突然ぼくたちの町にあらわれたマコトは、ちょうど1年後にまたすがたを消してしまった。
 あれから、30年以上の年月がながれた。ぼくは大人になり、子どものころからの夢をかなえて作家になった。別の女の人とケッコンして子どももできて、いそがしい日々の中で、いつの間にかマコトのことは忘れてしまっていた。
 ところが、この間ふるさとの家で、4年生のときに書いていた「ひみつノート」を見つけたんだ。ぎっしり思い出がつまったそのノートには、どのページにもいつもマコトがいた。その日から「マコトに会いたい」という思いが、ぼくの頭からはなれなくなった。あきらめようと自分に言いきかせても、会いたい気もちはどんどん強くなっていく。でも、今マコトがどこで何をしているのかもわからない。
 だから、ぼくは決めたんだ。マコトのことを書いた本を出そうって。だって、どこかの本屋でマコトがその本を目にすれば、連絡をくれるかもしれないだろ?そう、きみがいま手にしているこれが“その本”なんだよ。

●「この本を読めばきっと気付いてくれるはず」そんな願いを込めて書かれた、子どもの頃に好きだった女の子を探すための本。なんだかとてもロマンチックですね。長めのお話ではありますが、少し背伸びしてでも挑戦してほしい一冊です。今は大人になったお父さん・お母さんにとっても、子ども時代を懐かしく思い出すような温かくてちょっと切ないお話です。

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