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> ぼくのジユウな字
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タイトル |
ぼくのジユウな字 |
著者 |
春間 美幸(作) 黒須 高嶺(絵) |
出版社 |
講談社 |
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<書道子 書道教室>
「ショドウコショドウキョウシツ?」ぼくは声に出して読み上げて、首をかしげた。なんで、このヘンな名前の書道教室に行かなきゃならないんだ。いやだよ、そんなのぜーったいにいやだ!・・・ってさっきはどうしても言えなかった。だって、お母さんってば、今にも頭からツノが生えちゃうんじゃないかってぐらい、かんかんにおこってたんだから。
あれは、今から30分ほど前のできごと。ぼくが学校から家に帰ると、げんかんにお母さんが待ちかまえていた。いきなり「タコのむすこをもったおぼえはないわよ!」と言われて、ぼくは青ざめた。「さっき先生から電話があったわよ。テスト用紙を見せてごらんなさい!」そう言われて、ぼくは、ランドセルから今日返ってきた国語の漢字テストを取り出した。点数はたったの10点。しかも、名前のらんには『タ』と『コ』の字がでかでかと書いてある。『鷹野龍彦(たかのたつひこ)』なんて漢字で書くのは大変だから、最初と最後の字だけ『タコ』って書いたんだ。らくに書けるし、テストの名前なんてこれでいい。そもそも字を書くのなんて、どれもめんどうくさい。
テスト用紙を見て、お母さんのいかりがばくはつした。ぼくは、げんかんからそのまま回れ右をさせられて、むりやり「書道子書道教室」に通わされることになったんだ。
●読み書きが大嫌いな龍彦は、書道教室でも「どう書こうがぼくの自由でしょ」と言い放ちます。それを聞いた先生は、龍彦の手に『字由』と書きました。「あんたが『どう書こうが自由』なんて言うから、『ジユウ』って書いてやったよ。これはまじないだ」先生はそう言って、ニヤリと笑いました。
幼い頃から習慣づけていないと、文字の乱れは大人になってもなかなか改善されないもの。このお話を読んで、「これからは丁寧に書こう」という意識を少しでももってくれるとうれしいですね。
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