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> 青いあいつがやってきた!?
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タイトル |
青いあいつがやってきた!? |
著者 |
松井 ラフ(作) 大野 八生(絵) |
出版社 |
文研出版 |
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「今週も、とうさん帰ってこないの?」
六月のおわりに引っこしてきて二週間。それまで、ぼくたち家族は団地に住んでいた。庭つきの広い家は、結婚したときからのとうさんとかあさんの夢だったらしい。ちょうどお金がたまったところで、生活に便利だとか、そこそこ自然もあるだとかの条件がそろったこの土地を見つけて、ふたりは家をたてることを決めた。けれど、引っこしの一か月前に、とうさんは仕事のつごうで遠くの町に行くことになってしまった。「せっかく夢のマイホームをたてたのになあ。しばらく帰れそうにないけど、かあさんもサトシもしっかりな」見送りに行った新幹線のホームで、とうさんは肩をすくめてさびしそうに笑った。
家のローンを返すために、ぼくが生まれてからずっと家にいたかあさんも働きはじめた。引っこす前からさがして決めていた、病院の仕事だ。大変だって言いながら、かあさんは毎日はりきって家を出て行く。明日は土曜日なのに、いつも通り仕事に行くらしい。
そして、生まれてはじめての引っこしをした、ぼく。新しい学校でどうやって友達を作ればいいのかわからなくて、いつの間にか「ひとりでいるのが好きな、おとなしい転校生」になってしまった。今週もまた、ぼくは家族も友達もいないひとりぼっちの週末を過ごすんだ。
●引っ越してから一人で過ごすことが増えたサトシは、お母さんには強がりながらも、心の内では寂しさを抱えています。ふと見上げた夜空に流れ星を見つけたサトシは、「願い事が叶うなんてあるわけない」と思いながらも、息をこらしてその光を見つめました。すると次の日の朝、誰もいない家で静かな休日を過ごしていたサトシの前に、全身が真っ青の「へんなやつ」が突然現れたのです。
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