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3年生の今月の本


ライバル おれたちの真剣勝負 タイトル ライバル おれたちの真剣勝負
著者 はまなか あき(作) K-SuKe(絵) 
出版社 角川文芸出版
 

 「リュウ、やっぱり引っ越してよかっただろ?」
 近所の焼き肉屋さんで夕ご飯を食べた帰り道、父さんがそう言った。たしかに、あんなにおいしい焼き肉を食べられたのはすごくうれしかった。でも、「引っ越してよかった」と返事をしなかったのは、おれのせめてもの抵抗だ。母さんはおれを産んですぐ死んでしまったから、うちでは夕食の準備を父さんがする。でも、父さんには仕事があるから、夕食はいつもお弁当屋さんかスーパーのおそうざいで、それ以外の日は外食だ。だから、近所にあの焼き肉屋さんみたいな店があるのは、すごくありがたい。でも、近所にご飯のおいしい店があることと、この引っ越しがよかったかどうかは別の問題だ。
 少し前に、おれと父さんはとなりの県から引っ越してきた。すぐ近くの町から移っただけだから、県名が変わっただけで、町の様子なんかは前住んでいたところと全然変わらない。寒くも暑くもなってないし、テレビのチャンネルもいっしょだ。本当なら、こんな近い場所に引っ越す意味なんて全然ない。
 それなのに、なぜ引っ越したのか?それは・・・、おれが「将棋(しょうぎ)」の大会で勝てなくなったからだ。

●父親からプロ棋士になる夢を託され、幼い頃から将棋のイロハを叩き込まれてきたリュウ。ところが、対局本番になると格下の相手に勝てないことが続き、去年の大会でもまた県代表の座を逃してしまいました。それを見たリュウの父親は、強い相手がいない隣の県への引っ越しを強引に決めたのです。
 幼い頃は親に言われるまま取り組んできた子どもも、成長と共に様々な疑問や反発を覚えるようになるもの。本当の意味での友達=ライバルと出会うことで、子ども達が成長していく姿が描かれています。

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