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3年生の今月の本


青空モーオー! タイトル 青空モーオー!
著者 堀米 薫(作) pon-marsh(絵)
出版社 学研プラス
 

 陸は、大ちゃんの運転する軽トラにゆられながら、牧場をめざしていた。道路ぞいには、「岩手」と書かれた標識(ひょうしき)が見える。つづけて、「クマ出ぼつ」や「イノシシ注意」と書かれた黄色いカンバンが目に入って、思わずぎょっとしてしまう。
 大ちゃんは、陸の十二歳年上のいとこだ。昔は近所に住んでいて、陸が小さいころは、いつも遊んでくれていた。その後、大ちゃんは高校を卒業して、今は岩手県にある“工藤牧場”で働いている。その大ちゃんから、「この夏休み、うちの牧場に来いよ」とさそわれたのだ。とはいえ、小学四年生の陸にとって、一人で遠くはなれた牧場へ行くのはすごく勇気のいることだった。それでも陸が行くことを決めたのは、「もっと強くなりたい」と感じさせる出来事が、学校で起こったからだ。
 一人で電車と新幹線を乗りついだ後、大ちゃんの軽トラに乗せてもらい、ついに工藤牧場にたどりついた。ほっとするとともに、陸のむねがとくんと高鳴る。いよいよ、ここでの七日間が始まるのだ。

●小学四年生の陸は、従兄の大ちゃんから誘われて、夏休みの内の一週間を牧場で過ごすことになりました。都会育ちの陸にとって、大自然に囲まれた牧場での生活は、全くの未知の世界です。最初は戸惑った陸でしたが、思い切ってその誘いを受けることを決めました。その陸の心には、「弱い自分を変えたい」「大切な友達を守りたい」という思いがあったのです。

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