トップページ > 読書案内 >  3年生の今月の本 > 3年生におすすめの本
 > きまぐれロボット

3年生の今月の本


きまぐれロボット タイトル きまぐれロボット
著者 星 新一(作) 和田 誠(絵)
出版社 理論社
 

「わたしの作った、最も優秀なロボットです。人間にとって、これ以上のロボットはないといえるでしょう」
博士は、とくいげに説明した。それを聞いて、お金持ちのエヌ氏は言った。
「ぜひ、わたしに売ってくれ。じつは離れ島にある別荘で、しばらくの間ひとりで静かにすごすつもりだ。そこで使いたい」
 こうして博士に大金をはらい、エヌ氏はロボットを手に入れた。そして、ロボットとともに離れ島の別荘へと出かけた。むかえの船は、一か月後でないとやってこないことになっている。
 別荘で暮らし始めたエヌ氏の生活は、じつに快適だった。エヌ氏が「ビールを飲みたい」とつぶやくと、ロボットはすぐにビールを持ってきてくれる。おなかがすいたと言えば、たちまちのうちにおいしい食事を作って運んでくれる。料理ばかりか、あとかたづけも、へやのそうじもやってくれた。また、面白い話をつぎつぎにしゃべってくれる。エヌ氏にとって、まったく申し分のない召使いだった。
 ところが、少し様子がおかしくなってきたのは、二日ほどたった後のことだった。

●ショートショート小説の第一人者である星新一氏の代表作「きまぐれロボット」のほか、小学生にも読みやすい作品を選んで、挿絵とともに大きめの活字でまとめられた一冊です。手軽に読めて深みのある読後感を得られるのが、良質なショートショート小説の魅力。思わず考えさせられる“ショートショートの世界”への入口としていかがでしょうか。

Page Top