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3年生の今月の本


けんか餅 タイトル けんか餅
著者 桐生 環(作) 野間 与太郎(絵)
出版社 フレーベル館
 

 ここは花のお江戸の日本橋。お日さまが照らす朝の大通りを、大きな音をたてながら、一台の大八車が進んでいく。
 この大八車、体の大きな男がひとりで引いているように見えるが、実はうしろから押している少年がいた。周りの人がこの少年に気づかないのは、どうにも存在感がうすいからだ。小柄な体が荷物の山にまぎれてしまっているうえ、なんだか元気がない。ガックリと下を向き、口から出るのはため息ばかり。この少年、せめて名前だけでも、ちょっと強そうな感じならよかったのだろうが、残念ながらそうではない。小さな体をそのまま表したような「豆(まめ)吉(きち)」というのが、彼の名だ。
(おいら、今日からどうすればいいんだろう……)豆吉は、こぼれそうになる涙を一生懸命がまんしながらつぶやいた。

●物語の舞台は、江戸の街。11歳になったばかりの豆吉は、江戸で評判の菓子屋「鶴亀屋」に住み込みで働いています。優しい旦那様とおかみさん、親切な大勢の先輩たちに囲まれて、一人前の菓子職人になるための修行に励んでいました。
 ところがひょんなことから、喧嘩っ早くて乱暴者の若旦那とふたりで店を出すことになったから、さぁ大変。大人しくて心配性の豆吉は、無事に新しい店を切り盛りすることができるのでしょうか。

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