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3年生の今月の本


いやいやの木 タイトル いやいやの木
著者 山下 明生
出版社 あかね書房
 

「雨の降る日は、ねるのが一番」
 あやかはふとんの中でつぶやきました。
「今すぐ台風がきて、学校がお休みになるといいな」
 でも、今すぐやってきたのは、お母さんでした。
「もう夏休みじゃないのよ。早く起きなさい」
 お母さんのとんがり声を聞きつけて、おじいちゃんがやってきました。
「なにか、わけがあるのかね?」
 おじいちゃんが聞きました。わけと言われても、別にありません。その時、おじいちゃんが、おかしなことを言い出しました。
「ほれ、あの木、まだあるのかなぁ? 学校のいやいやの木」
「え? いやいやの木ですか?」
 お母さんが答えました。おじいちゃんとお母さんが言うには、その木はサルスベリの木で、根元をこちょこちょとやると、体じゅうでいやいやをしたり、暗くなるまで学校で遊んでいると、幹から白い手が出て、ばいばいをしたりするというのです。

 その日、なんとか学校に行ったあやかは、おじいちゃんたちが言ったことが気になって、放課後サルスベリの木の下に行ってみたのですが……。

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