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> ぼくんちのねこのはなし
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タイトル |
ぼくんちのねこのはなし |
著者 |
いとう みく(作) 祖敷 大輔(絵) |
出版社 |
くもん出版 |
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「お母さーん、ことら、ぜんぜん食べてないよ」
ぼくがエサ皿をのぞいて言うと、お母さんはパソコンから顔をあげて、ソファーのはしで寝ているねこの“ことら”を見た。
「あとで食べるでしょ。それより、学校のプリント出しておいてよ」
今日みたいに、お母さんが晩ごはんのあともパソコンを開いて仕事をしているのは、うんといそがしいときだ。こういうときのお母さんはきげんが悪いから、なるべく近よらないにかぎる。ぼくはソファーで寝ていることらをだっこして、自分の部屋にもどった。
ちょっと前まで、ことらはすごくいたずら好きだった。なのに最近は、机の上にもタンスの上にも乗らなくなった。ぼくの部屋に来ても、ベッドの上で丸くなってねむっている。お母さんによると、ことらはもう十六歳で、人間でいえば八十歳ぐらいのおじいちゃんらしい。だから元気がないのも仕方ないのかな……。
●ぼくが産まれる前から家にいる、飼いねこの“ことら”。ある日、ことらの調子が悪いことに気がついて以降、家族は様々な問題と直面することになります。
単に「ペットを大切に」というメッセージだけでなく、動物病院での高額な医療費負担、仕事や学校と通院の両立、老描介護の問題……など、現実に起こりうる問題も含めて、ペットを飼う家庭の様子がリアルに描かれています。
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