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3年生の今月の本


夢の発電って、なんだろう? タイトル 夢の発電って、なんだろう?
著者 森川 成美(作) こば ようこ(絵)
出版社 講談社
 

 いつもの転校と同じく、初日はきんちょうする。佳(か)幌(ほろ)の父は、水力発電担当の技術者として、電力会社につとめている。今まで、山の中にある発電所を何度も転勤してきた。でも、そろそろ佳幌の将来も考えておかなければいけないということで、佳幌と母は引っ越しをせずに、母方の祖母の家で暮らすことになったのだ。だから、今回が最後の転校らしい。
教室で最初のあいさつをして、友だちになってくれる子がいるか不安に思っていたところ、休み時間になると、背の高い女の子が佳幌の席にやってきた。
「佳幌ちゃんってよんでいい?わたし、奈々子。よろしく」
 奈々子とは通学路も同じだったから、毎朝いっしょに登校することになった。転校早々に友だちが見つかって、しかも行き帰りもいっしょなんて、すごくうれしい。
 ところが、それからしばらくたったころのこと。同じクラスの子から「奈々子には気をつけた方がいい」と聞かされた。理由を聞くと、「奈々子は“シーオーツー警察”だから」というのだ。

●奈々子と仲良くなるにつれ、段々と“シーオーツー警察”の意味がわかってきました。暑くても寒くてもエアコンはつけない、かなり遠い場所でも自転車で移動する、もしバスを利用しても古い型には乗らない……。「全ての電気はソーラー発電でつくるべき」と主張する奈々子は、CO₂(二酸化炭素)の排出量を減らすことが全ての行動基準になっていて、それを周りの人にも強要するのです。
 でも、佳幌にはそれが正しいのかよくわかりません。ソーラー発電は、本当に何の問題もない「夢の発電」なのでしょうか?

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