アフリカの草原に、一頭のキリンが住んでいました。すみきった青空に、やさしい風。キリンの大すきなアカシアは食べ放題。言うことなしの生活に思えましたが、このキリンには、一つ、とっても欲しいものがありました。それはとびっきりの友だち。キリンには、気持ちの通じる友だちがいなかったのです。

「今日もおんなじ、変わったことはなし。明日もおんなじ、おもしろいことはなし」
　キリンは、沈んでゆく太陽を、ぼんやり見つめていました。そしてふと、こんなことを考えました。
「地平線の向こうは、一体どうなっているんだろう？　そして、どんな動物が住んでいるんだろう？」
　キリンは首をおもいきりのばしてみました。でも見えません。
「そうだ。手紙を書いてみようかな」
　キリンは、昨日、枝にこんなポスターがぶら下がっていたことを思い出しました。

　　　ゆうびんはいたつ　はじめました。
　　　どこへでも、どんなものでも　とどけます。
　　　おきがるに　どうぞ。
　　　はいたつりょうきん　……おきもち
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　たいくつなペリカン