ここは、アメリカのニューヨーク。マンションに住んでいるラムチョップさんの家では、朝食の用意ができたところです。

「子どもたちを起こしてくるわね」
　お母さんがそう言った時、子ども部屋から、アーサーの叫び声が聞こえてきました。お父さんが子ども部屋に入ってみると、お兄さんのスタンレーのベッドに、分厚い大きな板がのっかっています。夜のうちに倒れてきたのです。スタンレーは、けがもなく、ぐっすりと眠っていました。でも、アーサーの声で、目をさましました。

「ええっ、いったい、どうなっているの？」
重い板の下から、スタンレーの声がしました。お父さんとお母さんが、よいこらしょと、板をどかします。
「お兄ちゃん、ぺちゃんこになっているよ！」
「まるでパンケーキじゃないか」
と、お父さんは言いました。スタンレーは、身長百二十二センチ、横はば三十センチ、厚さ一・三センチの、風変わりな少年になってしまったのです。