トップページ > 読書案内 > 3年生の今月の本 > 3年生におすすめの本 > とかいじゅうシーシー
ヘイさんは、この大きな町の清掃係です。三日も前から雨が降り続けているせいで、いつもより、二倍も三倍も働かなくてはなりません。
「あ~、いやだ、いやだ」 ヘイさんは、文句を言いながら建物の壁にたわしをあて、ごしごし洗い始めました。すると、壁のはじっこのほうで、何かがもじもじと動いたような気がしたのです。 「あれ、だれかいるのかい?」 ヘイさんはつぶやきました。すると、 「ええ、いるらしいんです。どうも」 と、ちょっと遠慮がちのかすれた声が聞こえてきました。 「かくれてないで出ておいで」 ヘイさんはいらいらとたわしをふりました。 「あの、かくれてはいないんですけど……すいません。よく、見ていただけないでしょうか」 「なんて言いぐさだ」 ヘイさんはぶっとつぶやくと、目をむきました。これがちょうどよかったのです。いました。いました。とっても変なのが……。 「いったい、だれだい。きみは……」
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