一わの小さなメンドリが、とりごやをぬけ出して冒険にでかけました。石がきのすみに、あたたかそうな黄色いほし草の山を見つけると、そこに家を作りました。
　そんなある日、おなかをすかせたキツネが、ムギばたけにやってきました。何か食べるものはないかとさがしていると、ほし草のかげにメンドリを見つけました。
「白いメンドリとくりゃ、味は最高だ」
　そろりとメンドリに近づいたその時、キツネは大きなくしゃみをしてしまいました。
「おや？　どなたか風邪をひいたようだわ」
　やさしいメンドリは熱いお茶を持って外へ出ました。するとそこには、キツネがねそべっているではありませんか。