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3年生の今月の本


キツネ和尚と大フクロウ タイトル キツネ和尚と大フクロウ
著者 富安 陽子
出版社 あかね書房
 

 ある日曜日の朝のことです。武二(たけじ)はとてもたいくつになって、昼から成神山(なるかみやま)のキツネ和尚のところへ出かけることにしました。
 成神山のふもとには小さなお寺があって、そのお寺の和尚さんの正体は、実はしっぽのふさふさした、でっかい古ギツネでした。古ギツネは、たいそう化けるのが上手でしたが、武二だけは、和尚さんをひと目見たときに、その正体を見やぶったのです。その日から武二とキツネ和尚は、友だちになりました。

  武二とキツネ和尚は、ちょうどよく通りかかった雲に乗っかると、ゆっくり村の方へ飛んでいきました。
「どうも東の方に、気になる雲があるなあ」
 二人の乗った雲が、村の真ん中辺りまでやってきたとき、和尚さんが言いました。武二は、雲の上に身をおこしました。黒いみょうな雲が風にさからって、東からやってくるのが見えます。
「武二。しばらく気ぃつけとけや。これは、どうもよそからじゅつを使うヤツがやってきたにちがいない」

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