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> びりっかすの子ねこ
タイトル | びりっかすの子ねこ | |
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著者 | マインダート=ディヤング | |
出版社 | 偕成社 | |
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びりっかすの子ねこは、みそっかすのすえっこ。にいさんや、ねえさんが、つぎつぎに六ぴき。それから、おまけみたいに、この子ねこがうまれたのです。うまれたのは、いぬやさんのなやのおくの、箱の中でした。 ある日のこと。おかあさんねこは、子ねこをくわえて、じゅんじゅんに、そっと下におろしました。けれども、六ぴきはこんでしまうと、おかあさんねこはもうもどりませんでした。びりっかすの子ねこは、やせっぽちの弱虫。足もなんだか、よろよろしています。すばこから出すのは、無理だったのです。びりっかすの子ねこも、あとにつづいておりたいとおもいました。そして、はいはじめました。そのときです。びりっかすの子ねこは、すばこからおっこちてしまいました。 びりっかすの子ねこがおちたのは、ミルクをなめていた年より犬の上でした。ミルクのおさらはひっくりかえり、おさらのむこうにきょとんとして、子ねこもいっしょにころげていたのでした。その犬は、目がみえないうえ、耳もきこえませんでした。 けれども、いぬは、なにごとだろうとひっくりかえったミルクのおさらの上に、顔をつきだしました。すると、ミルクでぬれた犬のあごが、びりっかすの子ねこにさわったのです。ミルクの味です。――おいしい、あたたかい、ミルク! びりっかすの子ねこは、むちゅうになって、年より犬のあごを、なめはじめました。年より犬は、ねこのしたがあごをこするのが、きもちよかったので、もっとなめてもらおうと、からだをのばしてすわりました。 目のみえない年より犬と、びりっかすの子ねことは、その日からいっしょにくらしました。うまれてはじめて、びりっかすの子ねこは、ミルクをおなかいっぱいのみ、いつもあたかくくらしました。しかし、それもつかのま、びりっかすの子ねこがひなたぼっこをしているうちに、いぬごやをうつされてしまい、ふたたびひとりぼっち。びりっかすの子ねこに、ほんとうのしあわせは、いつやってくるのでしょう。 |