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タイトル | ぼくらのバス | |
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著者 | 大島 真寿美 | |
出版社 | 偕成社 | |
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圭太はひまでした。ひまでひまで死にそうな夏のはじめの土曜日でした。宿題はたくさんあるけれど、明日やればすむことだし、おかあさんが出かけていないせっかくの土曜日に、わざわざ机にむかって勉強しようなんて気にはなれません。今週号のまんがは、買ってすぐに読んでしまいました。バスの図書館が、いまもあったらなと圭太は思いました。圭太の家の近くのお屋敷のすみに、うごかなくなった廃車のバスがあって、そこはむかし図書館だったのです。 はじめてそこへいったのは、圭太がまだ一年生になったばかりのころでした。バスの運転席には、ハンドルにもたれてぶあつい本を読んでいる白いひげのおじいさんがいました。バスの図書館をつくったそのおじいさんが亡くなってからは、バスの図書館がひらかれることは二度とありませんでした。ですから今日、ひまでひまで死にそうな圭太が、バスの図書館のことを思い出したのは本当に久しぶりのことだったのです。 |