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3年生の今月の本


レイナ こどもべやの秘密のともだち タイトル レイナ こどもべやの秘密のともだち
著者 斉藤 栄美
出版社 ポプラ社
 

 「森下さん」
と呼ばれて、顔をあげたら、女子三人組が、わたしの机を囲んで立っていた。
「一緒に帰ろうよ。わたしたちも同じ方向なんだ」
 今、話しているクラスメイトの名前も、私は知らない。だって、今日は転校一日目。
(まぁ、いいや。一緒に帰れば、すぐにわかるはず)
 そう思って、わたしは「うん」と承知して、席から立ち上がった。

 みんなの名前はすぐにわかったけど、みんなわたしの知らないことばかり話してる。
「それじゃ」
 十字路で、三人が手をあげた。
「バイバイ、また明日ね」
 手を振り返しながら、
(ま、いっか)
と、思った。さびしいような、ほっとした気持ち。
(いえなかったな……)
 新しいクラスメイトたちの前で口にできなかった言葉を、つぶやいてみる。
「明日、誕生日なの」

  プレゼントが欲しいわけじゃない。家族以外のだれかにも、
「おめでとう」
って、言ってもらいたいだけ……。前の学校の友達なら、私の誕生日、覚えておいてくれたのにな。

「なほ、一日早いけど、お誕生日おめでとう」
 突然、背中で声がして、おどろいて振り返った私は、その子を見て、もっと驚いてしまった。だって、そこにいたのは、わたしだったんだもの!

●その子は、自分をなほの双子の姉のレイナだというのですが、本当にそうなのでしょうか?

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