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3年生の今月の本


いたずら人形チョロップ タイトル いたずら人形チョロップ
著者 たかどの ほうこ
出版社 ポプラ社
 

 チョロップは、バザーのために作られた、古い布でできた人形でした。しかし、年のくれのバザーでチョロップは売れ残ってしまいました。じゃんけんで買った人が品物を持って帰ることになりました。こうして、チョロップは、キムヅカさんのうちにやってきたのです。

 ところで、チョロップを作ってバザーに出したのは、静かに暮らしている、一人のおばあさんでした。でも、このおばあさん、実はいたずらを考えるのが大好きという、ちょっと変わったおばあさんだったのです。もちろん、チョロップを作るときも、いたずらのことばかり考えいたのでした。こうして作られたチョロップがどんな人形になったか、それはもうお分かりでしょう。

 さて、キムヅカさんのうちにやってきたチョロップは、本棚の上にポンとのせられました。
「ここのうち、なんだかずいぶんシンとしてるなぁ……」
 チョロップは、ひょっとすると、随分たいくつな家にきてしまったのかもしれないと、心配になってきました。
 夜になり、家族のみんなが夕食のテーブルに集まってきました。5人もいます。家族がそろえば、おもしろい話も聞けるかと耳をすましてしたチョロップでしたが、まもなくすっかりあきれてしまいました。みんな気難しい顔をして、並んだものをもぐもぐと食べるばかりだったのですから。

 でも、チョロップはそう思いながらも、しまいに、クスッと笑い出したくなったのでした。全員がそろって、むっつりしているというのは、はたで見ていると、実際こっけいなものです。
「なんだかおかしいや。それにこの人たち、こわい人たちではなさそうだな。案外悪くないかもな、ここで暮らすのって。そうとも。悪くないぞ、きっと!」
 こうして、チョロップとキムヅカさん一家の暮らしが始まったのです。

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