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> ねこじまくん
タイトル | ねこじまくん | |
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著者 | 堀家 喜久子(ほりけ きくこ) | |
出版社 | 新日本出版 | |
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その朝、さくらが散ったなみ木道を、ぼくは、必死で走っていた。おかあさんの目覚まし時計がとまっていたのだ。もう、歩いている小学生は一人もいない。先生が来る前に何が何でも教室に入らなきゃ。そのとき、黒いTシャツの小さな男の子が、うしろから走っていて、ぼくのわきを、すごいいきおいで追いぬいていった。足のはやいヤツだなー。何年生だ。あいつ。 教室に入ると、先生がなぜか、まだだった。おくれて入ってきた先生の後ろに、男の子がいた。さっきの黒いTシャツの子だ。二年生かなと思った。それぐらい背が低かった。顔も小さいのに、目はすごく大きい。黒目がビー玉みたいにでっかくて、光ってる。なんか、気持ちのわるいヤツだ。これが、ねこじまくんだった。 先生が、きょうから、このクラスに入るのだといったとたんに、教室の空気がコチンと音でもしそうに、かたくなった。はっきりいって、はじめは、ねこじまくんのこと、好きじゃなかった。あのビー玉みたいな、でっかい目が、気持ち悪かった。それだけじゃない。ねこじまくんのやることが、ぼくには、どうしてもなじめなかった。 ●言うこともやることも不思議なねこじまくん。初めは無視されたりいじめられたりするのですが、まったく平気な様子。ねこじまくんの正体いったい何なのでしょうか? |