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3年生の今月の本


さよなら ごめんおばけ タイトル さよなら ごめんおばけ
著者 尾崎 美紀
出版社 汐文社
 

「コウちゃん、おはよ!」
 サトルは、朝から元気がいい。今日は、ぼくらの誕生日なのだ。十年前、ぼくらは、同じ日に同じ病院で生まれた。隣同士の病室で、かあさんたちはもりあがったらしい。ときどきとりかえっこをしてだっこしたり、家も向かいどうしだから、行ったり来たり。どっちが本当の家なのか、ぼくらもこんがらがったくらいだ。

「ね、1時間目は体育だよね。ぼくさ、てつぼう、れんしゅうしたんだよ」
 そうだ。誕生日の1時間目が、体育だなんてついてるぞ。勉強のほうはまあまあってとこだけど、体育の時間になると、ぼくはがぜんはりきる。

  サトルのほうは、運動が好きなわりには、いまいちなにをやってもパッとしない。ぼくは、自信満々で順番を待っていた。両手にぐっと力を入れ、背筋をのばしてから、グルンと! と、いくつもりだった。でも、つぎの瞬間、ぼくはおしりを、思いっきり地面にたたきつけて、落下した。
  ところがサトルは、みんなの前でいっきにかけ上がると、あっというまに足かけ前まわりをきめてしまった。そんなサトルに、ぼくのおなかの中でモヤモヤが大きくなっていって、そしてとうとう、大爆発してしまったのだ。

「なんだよ、まだオネショしてるくせに!」

●次の日、コウタはサトルにあやまりたいのに、あやまれません。そして口もきかないまま一週間もすぎてしまいました。そんなコウタに「ごめんおばけ」がくっついてしまうのですが……。コウタはサトルに「ごめん」と言えるのでしょうか?

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