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3年生の今月の本


子犬のロクがやってきた タイトル 子犬のロクがやってきた
著者 中川 李枝子
出版社 岩波書店
 

 夏やすみがおわってすぐの土曜日の午後のことでした。一郎が西くんと松川くんと学校のプールへ行くとちゅう、木工所のかどに並木くんが自転車をとめてたっていたのです。そこをとおる人はみんな、ハンドルの前のかごをのぞいていきます。
「あいつ、なにやってんだろ。」
 三人は、かけだしました。かごに入っていたのは、小さい、うす茶色の小犬でした。耳のさきと、かおのまんなかはまっ黒で、目のしたに左右ともホクロがあります。
「その犬、プールにつれていく気?」
 一郎がおどろくと、並木くんはうかないかおで、
「だって、家においとけないんだ。お母さんにしかられるから。」
 並木くんは思いつめたようにいいました。
「だれか、この犬もらってくれないかなあ。」
 並木くんは泣きそうになって、
「一郎くん、この犬、もらってくれない?」
といいました。
「うん、ぼくはほしいんだけど……、お父さんはシバ犬を飼うつもりなんだ。これざっしゅだろ。シバじゃないからなあ。」
 小犬は目をさまして、あくびと、のびをすると、並木くんのうでの中にもぐりこみました。そのとたん、一郎は決心しました。
「家へつれていってお父さんに見せよう。シバ犬より、こっちのほうがずっとかわいいもん。」

●一郎は、お父さんとお母さんに小犬を飼うことを許してもらい、ロクと名づけて一生懸命かわいがります。少しずつ成長していくロクの様子が、一郎たち家族の試行錯誤の様子とともに描かれています。

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