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3年生の今月の本


ながいながいペンギンの話 タイトル ながいながいペンギンの話
著者 いぬい とみこ
出版社 理論社
 

 とおいとおい南極の島に、ペンギンのルルとキキは生まれました。兄さんがルル、弟がキキです。ルルというのは、ペンギンのことばで「くしゃみくん」、キキというのは「さむがりやのちびくん」という意味でした。

  毎日、おとうさんとおかあさんは、こおりのとけはじめた、海辺へ行って、口いっぱい、オキアミという、小さなエビをくわえてきては、ふたりのぼうやに食べさせました。

 ある日、おとうさんとおかあさんが、海へ出かけていったあと、弟のキキが大きな口を開けてなきだしました。
「なにか、ちょうだーい。なにか、ちょうだーい」
 小さなにいさんのルルだって、とてもおなかがすいていました。今日は朝から、海辺の方で、騒がしい声がしていました。そして、おとうさんもおかあさんも、海へ出かけていったきり、いつものように、すぐには帰ってこないのです。海辺の方で、何かきっと、面白いことでもあるのでしょう。

「ねえ、キキ、外へ行って、自分で食べるものさがそうか?」
 ルルが、目をきらきらきらさせて、言い出しました。
「だって、ぼくたちはまだ小さいから、外へ出ちゃいけないって、おとうさんが言ってたじゃないの」
「そりゃ、そうだよ。だけど、きみがあんまりなくから、ただ、そう言ってみただけだよ」

 うみべの騒ぎは、ますます、大きくなってきます。しくしくないていた弟のキキは、くたびれて眠ってしまいました。
「よおし。ぼくひとりで、外へ行ってみよう」
 ルルは、そう決心して、雪の吹き溜まりのかげから、広いはらっぱっへ出て行きました。

●こうしてルルは、たったひとりで、氷の草原に飛び出しました。思いもしなかった危険が、ルルに迫ってきているとは知らずに。ルルは無事に家に帰れるのでしょうか? 1957年の刊行以来、日本の幼年文学の代表として、今もなお多くの子どもたちに読まれ続けている作品です。

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