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3年生の今月の本


おかあさん、わたし家出します タイトル おかあさん、わたし家出します
著者 松村 美樹子
出版社 ポプラ社
 

 ちはるは「勉強のできる子」じゃない。勉強きらい。算数だいっきらい。
 このあいだのテストは五十点。でも今日だけは、すこし楽しみだ。五十点のテストを見たおかあさんの顔がとってもかなしそうだったから、がんばったのだ。

 名前をよばれて、テストをかえされる。
「杉山さん」
 よう子先生が、ちはるのテストをかえした。そうっとテスト用紙を目の前にひろげた。七十五点。やった。今までで、いちばんいい。土曜日で、夕方まで遊べるけど、きょうはあそぶやくそくしない。かけ足で、家にむかった。はやく、おかあさんに、みせよう。はやくがんばったねっていってもらおう。きっと、ほめてくれる、とおもった……それなのに。

「七十五点……」
 あれ。おかあさんは、うれしそうじゃない。
「このあいだより、いいわね。でも、もっとがんばらないと」
「がんばったよ、あたし」
「だめだめ。まだ努力がたりないわよ。」

  どうして、おかあさん、こんなことをいうんだろう。ちはるは、このテストがんばったのに。どうしてちっとも、わかってくれないんだろう。おとうさんもわかってくれない。こんな家、きらい。こんな家、いたくない。
 ……家出しよう。

●家出をしていろんな経験をし、お父さんとお母さんの事を考えるうち、自分は悪くないと思っていたちはるの気持ちは、少しずつ変化していきます。大人も子どもも、読む側それぞれの視点でお互いの気持ちを考えることができる作品です。

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