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3年生の今月の本


にじとそらのつくりかた タイトル にじとそらのつくりかた
著者 かとう じゅんこ
出版社 理論社
 

 今日は、となり町のおねえちゃんが、家で待っている日。おもての戸を開けて帰ってきた小さな女の子は、ちょっとつまらないなと思いました。おねえちゃんは、あまり遊びがじょうずではないのです。
「おねえちゃん、きょう、わたし、一人で本をよみたいわ」
「じゃあ、なにかあったら、呼んでね。」

 おねえちゃんが、へやを出ていくと、小さな女の子は、そっと戸をしめ、そこに自分のおもちゃ箱をおきました。そして、このあいだ買ってもらったリボンをとり出して、鏡に向かいました。ほそいリボンは、一本一本ちがういろで、七本まとめると、ちょうどきれいに虹の七いろになります。女の子は、七いろのリボンを、右のおさげになんとか結び付けました。
「こうするとかたっぽだけになっちゃうわ。今度、もう一組買ってもらおう」
 両側のおさげを首を振りながら見くらべているうちに、小さな女の子は、ぐらりとバランスをくずして、あやうくかがみに頭をぶつけそうになりました。

 ところが、そこには、おでこにぶつかるはずの冷たい鏡はなく、小さな女の子の体は、そのまま鏡の中にたおれこんでいったのです。手をついたところは、木のゆかではなく、草の上。すぐそばでは、赤い鬼とはいいろのオニが、大きなとっくりを真ん中において、酒もりのさい中でした。

●不思議な世界にまぎれこんでしまった女の子。はたして無事にもどってくることができるのでしょうか? 夢でもなく現実でもないような世界の雰囲気がとても面白いお話です。

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