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3年生の今月の本


かっぱの虫かご タイトル かっぱの虫かご
著者 松居 スーザン
出版社 ポプラ社
 

「つまんないなー、つまんないなー」

 沼のきしべの切りかぶにすわって、ひざをだいて、ぶつぶつつぶやいているのは、一ぴきのかっぱの子でした。
「なにが、そんなにつまらないの?」
 かっぱのおかあさんが、水面に顔をだして、たずねました。
「沼にばっかりいるの、もうあきちゃった」
 かっぱの子は、こたえました。おかあさんはすこし考えると、いいました。
「それなら、ふもとのはらっぱに、あそびにいっておいで。でも、村にはぜったいに、ちかづいちゃ、だめよ」

  かっぱの子は、おかあさんに手をふって、はらっぱにむかって、あるきだしました。はらっぱにつくと、村の男の子たちの声がしました。かっぱの子は、たちどまりました。いちどでいいから、村の男の子というものを、見てみたかったのです。男の子が三人、います。虫取りにきたようです。めいめい、かごをかたにかけて、手にはあみを持っています。かっぱの子は、男の子たちがかえってしまうまで、じっと見ていました。

●かっぱの子は、村の男の子たちがもっていた虫かごがほしくて ついこっそり持って来てしまいます。でもなんだかおちつきません。最後に、かっぱの子は大切なことに気付きます。穏やかな、心温まるお話です。

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