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> ありがとうが言いたかったんだ
タイトル | ありがとうが言いたかったんだ | |
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著者 | 吉田 秀樹 | |
出版社 | 童心社 | |
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おっばあのへやには、ぼくのひみつの場所がある。二年生のころ、おかあさんにしかられたぼくは、なきながらおっばあのへやにとびこんだ。ワーワーないて、なきやんだとき、近くのかべに、どうくつみたいな深いあながあるのに気づいたんだ。手を入れると、やわらかくて、あたたかい。もぐりこんで体をまるめると、だれかにだかれているようで、ぐっすりねむってしまった。よく朝、モソモソはい出すと、おっばあが言った。 土曜日、ぼくは塾をさぼって、おっばあのおし入れにもぐりこんだ。しばらくして、ふすまのむこうで声がした。おとうさんとおかあさんだ。 「しらないふりをするなんて、おれには、できないよ。」 ガン? おっばあがガン? ●ひみつの場所をまもってくれているおっばあ。 |