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4年生の今月の本


おひかえなすって タイトル おひかえなすって
著者 吉橋 通夫
出版社 学習研究社
 

 一平(いっぺい)は早起きして、祇園祭(ぎおんまつり)の山鉾(やまぼこ)が立っている通りを、お金をさがしてゆっくり歩いていた。
 すると、
「落し物?」
と、ふいに、うしろから声がした。
 ふりむくと、一平とおない年ぐらいの女の子が立っていた。かみが短くて、色が黒い。黄色のTシャツのむねにプリントされた、赤いかき氷がおいしそうだ。

 女の子も落し物をさがしていた。
「なにを落としたんや。いっしょにさがしてやるよ。」
 女の子が、かたをすくめた。
「お父さん――。」
「お父さんが、なにを落とさはったんや?」
「ううん。お父さん自身が落し物なの。」
 女の子のお父さんは、昨日の夜、ひとりで出ていったきり、まだ戻ってこないのだそうだ。

 女の子は、「あめ細工屋『鳥五郎』の看板(かんばん)むすめ」で、お父さんがお店に帰ってきているのではないかと探しにきたのだった。

 一平はお店が始まったらいちばんにとんでくると約束して女の子とわかれた。

 しかし、一平は学校が終わってすっとんで帰ってきたのに、母ちゃんにつかまって、自分のお店の手伝いをさせられることになってしまった。いらいらしながら手伝っていたら父ちゃんが助け舟を出してくれた。一平はいちもくさんに女の子の店に向かうのだった。

【 物語の前に、祇園祭に参加しているような気分になれる写真と解説ののったページがあります。物語を読む前にしばらくながめていると、物語の舞台のことがよくわかります。 】

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