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> ネコのアリストテレス
タイトル | ネコのアリストテレス | |
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著者 | ディック・キング・スミス | |
出版社 | 評論社 | |
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子ネコのアリストテレスは、ネコには九つの命があるということを知りませんでした。もちろん、おかあさんはそのことを知っていました。でも、おかあさんはこう考えたのです。 そういうわけで、アリストテレスが、あるおばあさんにもらわれることになったときにも、おかあさんは、ただひとこと、「さよなら」としか言いませんでした。 さて、アリストテレスをもらっていったこのおばあさん、実は魔女だったのです。大昔から、魔女といえば黒ネコと決まっているはずなのですが、アリストテレスは頭のてっぺんからつまさきまで真っ白の、かんぺきな白ネコです。 「ほんとなら、黒ネコを飼(か)うところなのさ。だけど、たまには白いのも、気分が変わっていいだろう」 【 好奇心がありすぎて、いつも危険ととなりあわせのアリストテレスに、魔女のおばあさんは気が気ではありません。ふつうならとっくに“魔女ネコ”失格とされてしまいそうなところですが、おばあさんはアリストテレスのことをきらうどころか、ますます大切にかわいがってくれるのです。その関係は、まるで愛情たっぷりにわが子を見守るおかあさんといたずら好きの子どものよう。 |