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> あるような ないような話
タイトル | あるような ないような話 | |
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著者 | ライナー・クンツェ | |
出版社 | 岩波書店 | |
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レオポルトはおもちゃのライオンです。車が四つついたちいさい板(いた)の上に乗っています。それからネーレは短いおさげ髪(がみ)の小さい女の子です。レオポルトをよくひもでひいています。 ある晴れた日のこと、ネーレはレオポルトとメリーゴーランドごっこをして遊びました。つまり、ネーレがひもを手に持って、ぐるぐる回ったのです。ところが、ひもがネーレの手からすべり抜(ぬ)けました。レオポルトがガレージの屋根(やね)の上に落ちるところをネーレはちらりと見ましたが、ネーレはレオポルトを置きっぱなしにして、それっきり忘(わす)れてしまいました。どこでもかまわず、おもちゃを置きっぱなしにして、すぐに忘れてしまうのがネーレのいつものくせなのです。 ところが変なことが起(お)こりました。ガレージの屋根の上で、ライオンのレオポルトは前足が板からはずれたのに気がつきました。レオポルトは前足が動かせるようになると、すぐに四本の足で立ち上がり、ぽんと地面におりました。そして、すぐにネーレをさがしはじめました。 ネーレを見つけたレオポルトは、ネーレの家ぞくといっしょにくらすことになりました。ネーレのおとうさんはいいました。「レオポルトが歩けるなら、えさをやらなくてはいけないよ。歩く者はおなかがへるんだ。」けれども、食べ物をとる者は大きくなります。レオポルトは今までのおもちゃ箱(ばこ)の三倍(ばい)半もある箱が入り用なほど大きくなりました。 ある日のこと、レオポルトはネーレをおもちゃのように取りあつかいました。レオポルトはネーレのエプロンのひもを口にくわえてガレージの屋根へとびあがり、そこにネーレをおろして行ってしまったのです。 【 上にしょうかいしたお話は『ライオンのレオポルト』という題(だい)でこの本におさめられています。いろいろな「あるような ないような」お話を楽しんでください。】 |