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4年生の今月の本


耳の聞こえない子がわたります タイトル 耳の聞こえない子がわたります
著者 マーリー・マトリン
出版社 フレーベル館
 

 ミーガンは近所にひっこしてくる家族のトラックを待っていた。

 今度ひっこしてくる家族には、九歳の女の子がいるって不動産屋さんがいってた!

 このあたりには同じ年頃(としごろ)の女の子がいない。やっと女の子がやってくる。親友になってくれますように!

 やっとひっこしてくる家族がやってきた。車から出てきたのはまっ黒な巻き毛の女の子。

 ミーガンは車に向かってかけだした。

「こんにちは!」
 大声であいさつすると、女の子は飛び上がっておどろいた。
「あたし、ミーガン。親友になろうよ!」
「こんにちは」

 女の子は言葉を発したが、はずかしそうにうつむいている。

 ミーガンは次に名前を聞いた。しかし、うつむいている女の子の声はミーガンには聞こえなかった。ミーガンは補聴器(ほちょうき)をいじった。女の子は、
「シンディ」
と今後は大きな声でいったが、まだ顔をあげなかった。
「何をいってるかわかんないよ!」

 ミーガンはどなった。シンディはいらいらして顔を上げ、
「なによ。あなた、耳が聞こえないとでもいうの?」
と、どなりかえした。

 ミーガンはそれを聞いて笑いころげた。

「どうしてわかったの?」
「え? あなた、耳が聞こえないの?」

 ミーガンは補聴器をつけているから少しの音はわかる。だが、しゃべっている口元を見ないと何と話しているのかあまりわからないのだ。ごかいが解けたミーガンは顔いっぱいに笑みをうかべ、
「こんにちは、シンディ! うちの近所にようこそ!」
と、シンディの手をにぎると、力をこめてふった。

 次の日、シンディが目をさますと、お母さんがシンディ宛の手紙を持って立っていた。

 差出人はミーガン。中にはミーガンの家への招待状が入っていた。

【 耳が聞こえないけれど、行動的で負けず嫌いのミーガンと内気なシンディの友情物語です。お互いがお互いの欠点を認め、ともに克服していきます。あれができなくてくやしい! という子どもに対してのいいアドバイス方法もあり、保護者の方にもおすすめの本です。】

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