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4年生の今月の本


こちらゆかいな窓(まど)ふき会社 タイトル こちらゆかいな窓(まど)ふき会社
著者 ロアルド・ダール
出版社 評論社
 

 ぼくの家の近くに、ひどくへんてこでおんぼろの木造(もくぞう)の空き家が一軒(いっけん)、ぽつんと道路(どうろ)ぞいに立っている。前には一階がお菓子屋(かしや)さんだったらしい。そのショーウィンドーには、白いペンキで〈売れ出し中〉(売り出し中のまちがい)と書いてある。

 ところが、ある朝、その字が消されて、かわりに〈売約済(ばいやくず)み〉となっていたんだ。その店を買ったのがぼくだったら、もういちどすっごくすてきなお菓子屋さんにしてみせたのに、とひどくくやしい思いになった。

 それから、ぼくはまた、その建物に行ってみた。道の反対側から、ながめていると、大きなふろおけが三階の窓から飛び出し、道のまん中に落ちて、すさまじい音をひびかせてくだけちった。そのあとも、白い便器(べんき)や流し、空っぽの鳥かごなんかがつぎからつぎへと落ちてきた。ぼくは窓の真下へ行って、大声で「だれかいるの?」と言ったけど、返事はなかった。

 つぎの朝、こんどはどんなすごいことが起(お)こるのかと思ってやってくると、まっさきに新しいドアに気がついた。ぼろぼろのきたない茶色のドアが、ピカピカの赤いドアにかわっていた。しかも、高さが前のドアの倍(ばい)もある。ショーウィンドーには〈売約済み〉が消(け)されて、ぜんぜんちがうことが書いてあった。


   はしご不用窓ふき会社~
   おたくの窓をきれいにします
   きたないはしごなんか
   使ったりはいたしません


  ぼくは、家の中で何かが動く気配(けはい)や物音がしないかと聞き耳をたてた。でもなにも聞こえてはこなかった……。突然(とつぜん)……ぼくは見た……いちばん上の階の窓がひとつゆっくりと開くのを……。

 と、開いた窓から、頭がひとつ出てきたんだ。

【 窓からでてきた頭の正体は? なぞの「はしご不用窓ふき会社」。はしごなしで、どうやって高いところの窓をふくのでしょうか? すべてのなぞは、この本を読めばわかります!】

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