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> クジラがクジラになったわけ
タイトル | クジラがクジラになったわけ | |
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著者 | テッド・ヒューズ | |
出版社 | 岩波書店 | |
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神さまのところには、ちっちゃな野菜畑がありました。神さまはこの畑に、ニンジンだとか玉ネギだとか、マメだとか、そのほか夕ごはんのおかずに入り用な野菜をいろいろ植えていました。 ある日のこと、神さまは、畑のうねのあいだにふしぎなものがあるのに気づきました。二センチか三センチくらいの大きさで、まっ黒なのです。黒いテカテカ光るマメのようでした。片方のはじからは小さな根が出て、地面へはいりこんでいます。 神さまは、 神さまは、毎日ようすを見にいってみましたが、そいつは毎日大きくなるばかり。毎朝いってみると、前の日の朝の二倍の長さになっているのです。 とうとうこのまっ黒な植物は、畑の垣根(かきね)を押しつぶし、神さまの家まで押しのけてしまいそうな大きさになってしまいました。 神さまは、そいつの前にまわり、きびしい声でいいました。 するとおどいたことに、その植物は口をあけたのです。 (「クジラがクジラになったわけ」) 【 表題作の他に、「北極グマが北極グマになったわけ」といった、動物たちを主人公にした短編が十一編おさめられています。ユーモラスなお話もあれば、ちょっと悲しいお話もあります。神さまに命をもらった動物たちは、神さまにそうなれといわれてその動物になったわけではないという視点が面白い短編集です。】 |