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> 甘党仙人
タイトル | 甘党仙人 | |
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著者 | 濱野 京子 | |
出版社 | 理論社 | |
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陸(りく)の友だちの翔(しょう)は日本生まれだけど両親が中国人。その翔のところに中国からおじいさんがやってくるという。そのおじいさんが翔の友だちに会いたいというので、陸は翔の家にごちそうを食べにいくことになった。 おじいさんは日本語がまったくわからないのに、陸がこれが食べたいと思ったものを、陸がなにもしゃべらないうちから、さっと取ってくれた。三度もそんなことが続いたので、陸は思わずおじいさんの顔を見つめてしまった。なんでおれが食べたいものをわかったんだろう? 食後におじいさんは陸が持ってきたクッキーをおいしそうに食べて、陸を見てにんまりと笑った。 帰り際、陸はおじいさんと握手をした。その時、びりっと電気が走るみたいに熱いものが伝わってきた。 テレパシー? 翔がおじいさんの言葉を翻訳(ほんやく)するよりも早く伝わってきたような気がした。 陸は図書館で中国のお話の絵本の表紙に、翔のおじいさんとそっくりな仙人が描かれているのを見かけた。白い髭(ひげ)を生やした不思議な力を持つ翔のおじいさんは仙人にちがいない。そう思った陸は、おじいさんが日本にいる間、翔のおじいさんを尾行してみることにした。 【 普通の友だちだと思っていた翔が、実は中国語もペラペラしゃべれて、器用に餃子を作ることができるなんて。みなさんはおかあさんとご飯をいっしょに作ったり、自分の国の文化を誰かに説明したりできるでしょうか。】 |