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> じっちゃんはゆうれいになった
タイトル | じっちゃんはゆうれいになった | |
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著者 | 吉田 道子 | |
出版社 | 岩崎書店 | |
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ぼくのじっちゃんは、毎朝、新聞の死亡欄(しぼうらん)をチェックしては、「わしは、まだ、生きとる」といって自分を元気づけていた。 ところが、ある朝ひらいた新聞に、じっちゃんの名前ののった死亡記事が出ていた。 とうさんが新聞社にまちがいだと電話しなくてはとつぶやいたが、じっちゃんは、なにもするなと家族のみんなにいいつけた。そして、いい機会だからこのままゆうれいになるとせんげんした。 そして、この日から、部屋の中にひきこもって、ぼくたち家族の前でいっしょにご飯をたべなくなった。トイレやお風呂まで、家族に見られないようこっそりすませるようになった。 学校では、先生にお葬式は? といってしんぱいされた。そのうえ、あまりしたしくない転校生の信夫にまでじっちゃんのことをきかれてしまった。 信夫は、葬式はいやなもんやったろ、といい、じぶんは「おじいに、おばあに、おかあ」の葬式をしたとうたうようにいった。 ぼくは、それにびっくりして、 いっぽう、じっちゃんは、じっちゃんを死んだと思っている人の前に、ふっと姿をあらわしては、ゆうれいさわぎをひきおこしていた。ぼくのために学校へ傘をとどけにきたときも、じっちゃんはわざわざゆうれいのふりをしながらとどけにきた。 信夫はそんなじっちゃんのすがたをみかけて、ほんとうにゆうれいはいるんだとしんじこんでしまった。 【 ゆうれいがいるとしんじこんだ信夫は、とてもうれしそうでした。でも、ほんとうはじっちゃんが生きていることを信夫にしられてしまったらどうすればよいのでしょう。】 |