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タイトル | 坂の上の図書館 | |
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著者 | 池田 ゆみる(作) 羽尻 利門(絵) | |
出版社 | さ・え・ら書房 | |
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駅の改札を出て歩きはじめると、すぐに急なのぼり坂になった。坂をのぼりきる手前に“市民図書館”があった。そのときわたしは、このどっしりとした四角い建物が、なぜかとても気になった。坂のてっぺんに、図書館よりもっと高い四階建ての建物があった。その門の前でお母さんは足をとめた。「じりつしえんセンター・あけぼのじゅうたく」ぼんやりしているとお母さんが門に彫られた文字を読んでくれた。「本当はこんなところの世話になんか、なりたくないんだけどね」ここは、住む家のない母親と子どもが少しのあいだ暮らせる施設だ。いつまでいられるかわからないけど、わたしは、お母さんとふたりだけで住める場所ができて、うれしかった。翌日、生活指導員の大久保さんが市民図書館へ連れていってくれた。その日、わたしは生まれてはじめて図書館で本を借りた。 ●九九も覚えていない、漢字もやさしいものしか読めない小学5年生の春菜。図書館の本、そして学校の先生や友だちとのつながりを得て、ゆっくりと一歩ずつ成長していくストーリーです。また、幅広い知識や豊かな創造力を与えてくれる本の大切さや、人を変える支えを提供しつづけている図書館の価値に気付かされるお話です。 |